第2日目:香港


■まずは両替

 皆さんが憂鬱気分でお仕事を始める月曜日に、こんなところで旅人になってるとは、何と幸せ者なのだろうか。(^o^) 幸せを噛みしめながら3人で恒生(ハンサン)銀行へ直行。リピーターのニャンコ先生は何とこの銀行に口座を持っているのであった。正直に両替なんかすると手数料を取られてしまうので、円で一端ニャンコ先生の口座に入金して、その後H$で引きだせば手数料無し!いやー、持ってるものは何でもつかう逞しさ。
私はとりあえず4万円ほどホンコンドルに換えてもらった。

■ウエシマコーヒーで朝ご飯

 ドル札を手に今朝の朝食予定のウエシマコーヒーに入店。こちらのコーヒーはミルク入りで出てくる。そして砂糖も2〜3袋付いてくる。最初から砂糖&ミルク入りで出てくる場合も多い。あまり美味しいパン屋(揚げパンを除く)というのも少なく、ここウエシマコーヒーは数少ない美味しいパンを焼いてだしてくれる店で、確かにだされたパンはホカホカで柔らかく程よく甘く、大変美味しゅうございました。もっと沢山食べたかったが、この後、お昼ご飯で、海鮮料理で有名な西貢(サイコン)に出掛け、たらふく食べる計画があるため、朝食は品よく控えめにとるのであった。(猿も少しは学習する。)

ウエシマコーヒー

■西貢にて海鮮料理と格闘!

 西貢には地下鉄だけでは行かれず、途中からバスに乗らねばならない。しかし、以前私も来たことがあるし、ニャンコ先生がついているので楽勝である。
 まず、Wan Chaiから地下鉄に乗って彩虹(Choi Hung)まで移動。私と港のヨーコは券売機で切符を買うが、ニャンコ先生はリピーターなので、便利なオクトパスカードなるものを持っていた。イオカードのようなものだが、地下鉄、バス、ミニバス、国鉄(?)と殆どのものがこれ1枚で利用できるのだ。磁気カードだと思われるが使い捨てではなく、残高が足りなくなりそうになったら補充して使うことができるすぐれ物。香港でも切符は改札機に通すが、オクトパスカードは改札機の上部についているセンサーにかざすだけでOK。しかも、いちいちとりださなくても、パスケースや財布の中に入れたままでも読み取ってくれる。ニャンコ先生も最初は品よく(?)パスケースを取り出しかざしていたが、帰る頃には、もろにバッグごとかざしていた(笑)。地下鉄の券売機はおつりが出たりお札も使えるので問題ないのだが、バスはおつりが出ないので、途中何度もオクトパスカードの便利さを痛感することとなる。
 地下鉄に乗り込みぺちゃくちゃ喋り“かしましいヤップンヤン”になっていると、あっという間に彩虹(Choi Hung)駅に到着。地上に出て今度は西貢(サイコン)行のミニバスに乗り換える。ミニバスとは、マイクロバスサイズの乗り合いバスのようなもの。座席の数分しか人を乗せることはできない(たしか16人乗りだった)。途中で降りるときは運転手に「降りまーす!」と意思表示をして停めてもらうのだが、目的地は終点なのでとりあえず乗っていれば到着するのであった。
 いくつも(?)山を越え、磯の香りが漂ってくると、終点の西貢(サイコン)に到着。相変わらず長閑な漁港であった。足取り軽くミニバスを降りた我々は、一目散に目指すお店に駆け込む。案内された2階の奥の部屋は、窓から港が見える小部屋で、既にテーブルを囲み宴たけなわなグループが一組いらっしゃった。その食べっぷりにつられ、我々も“食うぞ!モード”に即シフト!! 解りやすいセットメニューも持ってきてはくれたが、そんなものはパスして、広東語のメニューを見ながら、解らないものはニャンコ先生に聞きつつ、ばんばんオーダーする。調子に乗ってオーダーしすぎたようで、途中お店の人がやってきてチャーハンを「多すぎるよ」といって小さいサイズに変更してくれた。お茶を飲み飲み、次々に運ばれてくる料理に「おいし〜」と舌鼓を打ちながらも、どんどんほお張りまくる。小さいサイズとはいえ、それでもチャーハンはかなりの量があった。殆どの店で野菜類はメニューに乗っていないが、言えば出してくれるので、これももちろん注文した。日本では食べたことの無い野菜を食べられるのも嬉しい。野菜にかかっているオイスターソースも殆どが各店のオリジナルのようで、店によって微妙に味が違う。海鮮料理は大変美味しいが、魚類はやはり日本の方が美味しいと思われるので、ここではエビ、イカ、貝類などをメインに食す。(何故かシャコは不評で「シャコ禁止令」発令?!)
 美味しい顔で豪快に食っていたのに気を良くしたのか(?)、お店の人がサービスでスイカを出してくれたので、お礼を言いつつも遠慮なくかぶりつかせていただいた。
 気がつけば貸し切り状態になっていた小部屋で、周りを気にすることなく思いきりつまようじでシーハーして、膨らんだおなかをさすりながらごちそうさまとなった。う〜ん、西貢最高!! 香港に来たらここには必ず寄りたいものである(安いしね)。スイカのサービスに気を良くし、チップを弾んでにこやかに店を出て、しばし食後の散歩と、漁港の桟橋まで歩いた。しかし、さすがにこの時期の香港は暑い・・・。
 その後、商店街(?)でお買い物をし、デザートを食うべく次なる店に向かって歩き出す。

ショイホン駅 窓の借景 西貢で昼食 漁港 桟橋

■ハネムーンデザート

 ニャンコ先生が行きたくて未だに行けていない、憧れのデザートショップ「ハネムーンデザート」を探して歩く。来がけにミニバスから見えたので、スムーズに到着。だがしかし!店が閉まっている!? 冷静に大きなショックを受けるニャンコ先生。せっかくここまで来たのに・・・と私と港のヨーコも肩を落とす。だが、転んでもただでは起きない我々は、そんなはずはない!と周辺をうろつく。すると、どういうわけか、閉まっている店の並びに開いている「ハネムーンデザート」が存在したのである(ようするに、店は2つあったわけ)。ニャンコ先生の瞳には感激の星が光っていた。
 まだ食うか!とばかりにあれこれ注文。どれも美味しかったが、ここのマンゴーケーキは超激ウマ!!でした。次に香港に来ることがあったら、西貢では海鮮料理とハネムーンデザートのマンゴーケーキは絶対にハズせない!と心にチェック印をした。

ハネムーンデザートたち

■雨宿り

 食うべきものを食った我々は、次なる目的地、ビクトリアピークへ向かうことにする。今回のコースでは唯一のスタンダード観光スポットである。西貢から今度は2階建てバスに乗り、Diamond Hill駅にて地下鉄に乗り換える。夕方の混雑を避けるため、少し遠回りで中環(Central)まで行く。地上に出るとあろうことか雨が降りだした。スコールのように激しくなってきたので、目の前にあった公衆トイレに駆け込む。ホッと一息つきながらも、公衆トイレを見渡し、以前来たときはこんなきれいなトイレは見かけなかったなーと思い出の糸をたぐり寄せたりしてみる。ニャンコ先生も同じことを思っていた様だ。ついでなので、雨が止むまで・・・と化粧直しなぞして時間を潰す。

■100万ドルの夜景?

 少し小降りになったところで公衆トイレを後にし、ピークトラムの乗り場まで、頭にハンドタオルをかぶって歩く。坂の途中に乗り場を見つけて思わず小走りになる。観光名所の乗り物だけあって、ピークトラムの料金は他よりちょっとお高め。トラムが着くと我々は眺めの良い「登り進行方向向かって右側」を陣取り着席。雨の平日で混雑無し。ツアーで来ても乗せて貰えるが、何故か過去2回とも下りに乗せられ、後ろ向きに進んでゆくという不快な進み方を体験していたが、やはりこれは登りに乗るのがおすすめ。トラム自体が斜めで傾斜がきつく危険なので、上を向いて座るという座席の方向は変わらないのである。
 高層ビルの合間から出発したピークトラムは、上って行くに連れて視界が開け町が見渡せる。周りにはジャングルのように濃い緑が雨に濡れて光っている。途中いくつか駅はあるが、乗り降りする人は殆どいなかった。(もちろんジャッキー・チェンがジョギングしてたりはしない。)
 10分足らずで頂上に着くと、前来たときは作りかけだったピークギャレリア(ショッピングモールですな)もすっかり完成しておしゃれな雰囲気を漂わせている。ピークタワーにて、目的の一つである「香港をバックにしたプリクラ」(香港オリジナルらしい)を撮ってからピークギャレリアへ移動し、ここでひとまずフリータイム。集合時間と場所を確認して各自ばらける。
 特に買うものも決めていない私は、とりあえず暮れなずむ香港シティーを眺めに屋上に上がってみると、殆ど雨も上がっているにもかかわらず、誰もいない静かな一時を楽しむことができた。メジャーな夜景とは反対側のちょっとうらざみしい景色も、なかなか風情があって良かった。煙草に火をつけ一服する。
 ショッピングモールに戻りウインドーショッピングをしていると、港のヨーコにばったり会ったので、「屋上イイよ〜」とにんまり笑うと「私も行く!」というので、一緒に行って写真撮影会をする。もうだいぶ日が暮れて眼下には「百万ドルの夜景」が広がっていた。う〜ん、キレイ・・・。としばし二人でぼんやりする。思えば夜ここに来たのは初めてであった。やはりここは夜の方がステキであることは言うまでもない。
 集合場所(マクドナルドでした)に行くと、ニャンコ先生がにんまり笑って座っていた。ニャンコ先生はちゃっかり目指すお店に愛猫の写真を持っていって、写真入りの皿とマグカップを製作してもらっていた。自慢気に披露してくれた、今は亡き愛猫タケシの写真入り皿&マグカップは、出来立てでまだ暖かかった。

ピークトラム 黄昏の夜景

■雨雲の中の夕食

 本日の夕食は、レスリー・チャンやアニタ・ユンの出ている映画「君さえいれば」にも登場したレストラン「カフェ・デコ」でゴージャスに食う。全面ガラス張りで百万ドルの夜景がばっちり見渡せる・・・はずだったが、我々が入店した時には再びスコール状態の雨が降っていて、視界ゼロ。まるで雲の中にいるような有り様で、な〜んにも見えず。この旅行ではお高いお食事のはずだったが、抜群のロケーションは味わえず、ちょっとがっかり。でも、お食事はとってもデリシャスでやんした。お客さんも白人系の人達が多く、ハイソな雰囲気。ワインを飲みながらいちゃいちゃしてるカップルを横目に見ながら、色気より食い気の我々なのであった。食事も終わるころ、ようやく雨も止みかけ、かすかに町明かりが煙って見えた。とんだハプニングのおかげで、ここはいつか敗者復活しに来たい店となった。(晴れてるときにまた来るぞー!!)
 すっかり夜のとばりが下りたビクトリアピークから、今度はバスに乗り、夜景を見ながらのろのろ下り、中環(Central)からはトラム(2階建ての路面電車)に乗って帰った。このトラム、とっても気持ちいいのに、何処まで乗っても一律2ドル(32円くらい)というお安さなのが魅力。トラムは香港島にしか無い乗り物で、これまで九龍サイドを拠点にしていた私にとっては、初の乗り物であった。冷房はないけど夜ならかえって夜風が気持ち良く快適で、結構病みつきになりそう。もちろん2階席がおすすめです。後ろから乗って、前から降りるシステムで料金は後払い。おつりが出ないのとオクトパスカードが使えないのが玉に瑕。
 ホテルに戻る途中コンビニで水などを買い込み、ホテルのロビーで明日のスケジュール確認をした後、おやすみなさーい。
 絵はがきを買ったので、部屋に帰って港のヨーコと仲良くハガキ書き(笑)。

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