9月1日(水) 本番

小学校脇の猫

 実は月曜日から受け持ちコースの試験の課題製作が始まっており、なにかと忙しい。
 特に質問も無く黙々と作業していても、ちゃんと出来ているかどうかアヤシイので気が抜けない。
 実際のところ私なぞは所詮アルバイトなので、受験者が受かろうが落ちようが、体制に影響は殆どないのだが、同じ事を何度も同じ人を相手にするのと、全く違う人を相手にするのでは、不思議な事にこちらの疲労感が違うので、やっぱりみんな速やかに合格して、卒業して行ってもらうのがお互いの幸せというものであろう。
 作業する生徒さんの背中越しに眼を光らせる、気疲れな日々がしばらく続きそうである。


9月2日(木) カンフーフィットネス♪

花

 さんが教えてくれた『NHK趣味悠々 中高年のためのらくらくツーリング入門』のOAが修了し、今日から『NHK趣味悠々 カンフーフィットネス』が始まったので、リンチェイ君迷の私はもちろんこれもチェックすることに。
 今日は、第1回目ということで、準備運動であるカンフーストレッチという内容であったが、カンフーどころか既に準備運動の時点で挫折しそうな難易度であった。
 どうりでよく見たら、『カンフーフィットネス』には“中高年のための”というキャッチはついていなかった…。(趣味悠々=中高年のための、と勝手に思い込んでおった)
 講師の、元世界チャンピョンだという陳静さんが、カワイイ顔をして容赦ない指導をしていて面白かったので、引き続き番組は視聴すると思うが、次週からはソファーに腰掛けて傍観させて頂く事になるであろう。
 それにしても、オバサンのカラダはどうしてこんなに固くなれるのだろうか。(:_;)


9月3日(金) とりあえず 

出窓

 副業の方の入稿作業が終わり、一段落。
 やる事はいろいろ残っているのだが、締め切りに追われるスケジュールからは解放されて、それだけで気持ちが晴れ晴れである。
 今までは自分が発注者側であったような仕事なので、相手先である発注者に振り回される部分で腹を立てるわけにも行かず、状況も何となく察しがつくので平常心で取り組めたのは良かった。
 というより、この仕事の相手先は、過去の自分達よりもよっぽどマトモな発注者であり、反省しかり。


9月4日(土) 雨にも負けず

嵐を呼ぶ男?

 バイト終わりで渋谷へ。
 途中で雷が鳴りだし、ついた頃には大雨であった。雨宿りの人が出入り口を塞いでいて駅から外に出るのもひと苦労。
 高架下へ駆け込むも、ちょうど坂の真ん中になっている道路はプール状態で、駐輪バイクは3分の2ぐらいまで沈没していた。
 そんな中、先輩と合流し、目的の『LOVERS』を鑑賞した後、びしょびしょになりながらも次の待ち合わせ場所にてニャンコ先生と合流して、香港旅行の最終打ち合わせ。
 港のヨーコは雨に負けて不参加ではあったが、とりあえず準備は万端整い、次に顔を合わせるのは成田空港ということに相成った。
 4人での香港旅行は構想3年、日程4日である。働く女性とはいえ、ここまでスケジュールが合わない人達もめずらしいのではなかろうか。


9月5日(日) 君の名は?

君の名は

 わくわくと香港行きのカウントダウンをしながらも、荷造りは先送りする。
 しかし、前回の反省から“次回は必ず持参しよう”ときめた「蟹ほじり」だけはハンカチにくるんで準備する。
 懲りずに今回も蟹チリガーリックを食べるつもりでいるのだが、香港では「蟹ほじり」は出てこないのである。
 ちなみに、現地スーパーの台所用品のコーナー当たりを探してみたが、やはり見つからなかった。  ほじりきれない悔しさが残らないように、今度こそはほじりきるという心意気で「蟹ほじり」の持参なのである。
 ひょっとしたら、これが元で香港でも「蟹ほじり」がスタンダードになる日が来るかもしれないし。
 ところで、この「蟹ほじり」、正確な名称は何と言うのだろう?


9月6日(月) 予感

ガラス越しふう

 試験課題製作期間も2週目を迎え、なんとなく終わりが見え始めた人達もちらほら。でもまだ油断は大敵。
 無謀にも製作期間中の土曜日にお休みを貰って香港に行くので、良心の呵責からいつになく真面目。
 ただ、ローテーションから行くと、締め切りぎりぎりの最終日は私の担当日。
 できることなら、この日にまだちまちま作業しているようなことはないようにしたいのだが、遊んでばかりいるとそのうち付けが回ってくるというお約束の法則にのっとって考えれば,なんとな〜く、嫌な予感がしなくもないのであった。


9月7日(火) 荷造り

カプチーノ

 副業の方がめでたく休みになったので、香港旅行の荷造りをする。
 物置部屋の獣道をかき分けスーツケースを引っ張りだし、「蟹ほじり」をはじめ、服や洗面用具などを適当に放り込み、15分もしないうちに修了。
 ここのところ台風の襲撃が続いているので、あとは天候不順なんぞで飛行機が欠航にならない事を祈るのみである。
 荷造りをするといきなり臨場感アップ。
 


9月8日(水) 平常心不足

夜の公園の猫

 引き続き試験課題をチェックしたりして働く。
 明日はいよいよ出発だと思うと、労働も苦にならない。
 午前便だから早く寝なくてはと思うが、遠足前日のコドモ状態で、いつにも増して目が冴えて困った。
 仮眠をとれるはずの機内も、キャセイなものだから、面白い香港映画をやってたりしたら、それどころでは無いし。
 起床時間を念仏のように唱えながら自己暗示。


9月9日(木) 香港初日

   登校する高校生に揉まれながら成田へ。
 あとの3人は、贅沢にもスカイライナーの個室でゆったりお喋りを楽しみながら成田に向かっているというのに…。中途半端に近いことが裏目に。
 成田空港駅の改札を出て、いつも保険の手続きをしている窓口で偶然にも合流するが、早くもトラブルが発生していた。
 自作のスケジュール表にも書いておいたのにも関わらず、なんと、「蟹ほじり」を忘れて来た人が…。(爆)
 さっさとチェックインをして、さっさとゲートに向かい、ベンチにてコーヒータイム。浮かれる私達の傍らを「アイ,ロボット」のプロモで来日していたと思われる、ウィル・スミスご一行様が通り過ぎて行った。
 さて、搭乗するとすぐに映画のチェック。
 なんと、GWに現地映画館で観て、もう一度見たいと思っていた作品が、日本語吹き替えで上映されているようで、ものすごく得した気分。堪能させて頂きました。

 香港に着くと、例によって荷物を積んでトランク半開き状態のタクシーに乗って、ホテルへ。
 今回の旅の宿は、銅鑼湾(コーズウェイベイ)にあるキレイだけど部屋が狭い「ローズデール」というホテル。
 荷物を置いて速攻で映画館に行き映画上映スケジュールのチェック。今回はコレというものが決まらずチケットは購入せず成り行きに任せる事に(香港では映画感はすべて前売りの指定席)。
 さっそく地下鉄に乗り金環(アドミラリティ)に移動して、晩ご飯を食べる予定の「北京樓」に予約を入れ、恒例のビクトリアピークへタクシーでGO。
 4人だとタクシーもリーズナブルである。

 で、まずはマダムタッソー蝋人形館のはずが、なんと今日に限って17時でクローズになっていた。早速スケジュール変更発生である。
 時間が出来たのでそのへんをぷらぷら物色して、いつものカフェのテラスにて300円のジュース一杯で香港の夜景をたっぷり楽しみ、またしてもタクシーに乗り、予約した「北京樓」へ。
 初日の夕ご飯は北京ダック。
 北京ダックの名店にて全員がデザートまでお腹いっぱい食べて、チップ込み一人当たり2500円。
 もう、やめられましぇ〜ん。


9月10日(金) 香港2日目

ロブスター  いつもの太湖海鮮城(銅鑼灣)にて、朝っぱらからゴージャスにフカヒレ&ロブスター。
 香港料理大賞受賞のチャーハンも食う。
 出だしから快調である。

花屋街 食後、少し歩いて銀行で両替。
正確に言うと、香港の銀行に口座を持っているニャンコ先生に日本円を渡して口座に入れてもらい、香港ドルで引き出して、渡した日本円の分だけ香港ドルで返してもらうという、手数料のかからない両替である。
 小金持になったところで、香港の友人に会うニャンコ先生と別れ、港のヨーコ&じゃりん子チエねーさんと3人で九龍サイドの奥の方まで地下鉄で移動。
誰かの鳥  太子(プリンス・エドワード)駅で下車し花屋街を練り歩きながらバードガーデンへ。
 ここらへんは、ぐっと下町っぽくなり、生活感が溢れている。
 暖かいところだけあって植物は激安。
 買って帰れないのが寂しい。
 バードガーデンにはウワサ通り鳥かごを携えた男性がまったりとベンチでくつろいでおったが、昔ほどではないようである。
 社交場というよりも、鳥屋さんが軒を連ねていて、よくもまぁこれだけぎゅうぎゅう詰めにしているなと思うくらい、鳥籠の中が高密度で笑えた。
 餌である「虫の袋詰め」もあったりして、ちょっとおののく。
 バードガーデンはナマ暖かそうな鳥の香りでいっぱいであった。

 寝具店の看板猫  そのあとはネイザンロードと平行する裏路地に入り、金魚街をふらつき、女人街で人に揉まれキャッチセールスと戦いながらお土産を買い、旺角でオタクの殿堂「信和中心」に行き、香港明星グッズを物色。
 ここまでで既に地下鉄の駅一つ半ぶんを歩く。
 「信和中心」からは、ネイザンロードを渡り反対側の上海街に入る
 さすがに腹も減り、足も棒になって来たので、適当に見つけた麺粥屋で一休みしつつ飯。
 ニャンコ先生がいなくなって、言葉が不自由でお猿な3人だけになると、案の定オーダーでトラブり、麺が一つ余計に来てしまった。
 どうやら私達が注文したのはコーヒー付きのセットメニューだったらしく、コーヒーだけで良かった分まで麺が一緒に来てしまったのであった。
 ぷりぷりのエビワンタンがごろごろ入った麺にコーヒーまでついて20ドル(約300円弱)というお安さだったもんだから、よもやセットだなんて思いもしなかったのであった。
 でも、店のおばちゃんは嫌な顔一つせず、麺を引き取ってくれた。お猿ですまぬ。(もちろん私は麺も食ったけど)

 燃料を補給した我々お猿3人はまたひたすら上海街を歩く。
 軒を連ねる仏具店などにも遠慮なく入ったり、台所用品の店でどでかいまな板を前に重くて持って帰れないと涙をのんだりしながら、さらに地下鉄1駅半分ほど歩き佐敦(ジョーダン)駅横の民族系デパート「裕華國貨」に到着。
 ものすごく香港な雰囲気の店内にて思い思いのお土産調達合戦を繰り広げ、更に一駅歩いて尖沙咀は「糖朝」へ。
 あいかわらず込んでいて待たされたので諦めて店を出る。何せ時間がない。食べるのは青山店でよしとする。
 そのままギャラリア(免税店)でブランドショップを冷やかし、今晩の夕食のため、話題の新スポット「胡同」に向かう。
 前もってニャンコ先生に電話で予約を入れてもらっていたので速やかに着席。
 「胡同」はビルの28Fにあり360度ガラス張りで、最高の夜景を楽しめる作り。料理も香港ではお高めだが、東京と比べればフツーである。味はもちろん文句無し。おすすめです。
オリジナルな創作料理と夜景を満喫しながら閉店まで話し込み、地下鉄に乗ってホテルへ。気がつけば皆両手に大荷物をぶら下げていた。
 ホテル前で、これから、明日のコンサートのチケットを引き取りに、友人の泊まっているすぐ隣のホテルに出掛ける夜行性のニャンコ先生とばったり会う。
 そして歩き疲れた港のヨーコがすっかり眠った午前3時頃、チケットとなぜかぶどうと魚の皮を揚げたモノを持ってニャンコ先生は部屋にやって来た。少し話しておやすみなさい。
 港のヨーコはずっと爆睡中。


9月11日(土) 香港3日目

茹でエビ  最近はだいぶ垢抜けて高級住宅地になりつつある西貢へ、海鮮料理を食うために、地下鉄とミニバスを乗り次いで、九龍サイドのはずれにある西貢まで足を伸ばす。昨日の歩き疲れで、まだ足が少しダルい。
 立て続けに香港に来てはいるが、西貢は3年ぶりである。(へなちょこツアーズ・香港編参照)
 実は、長い間、どういうわけだが食べたいと思っていたのに食べられていなかった「茹でエビ」というメニューがある。
 そして、ことあるごとに「4人揃って香港で茹でエビを!」とスローガンのように唱えていたのであった。
 そして本日、その目標が現実のものとなったというわけである。
 はたして、なぜ茹でただけのエビがこんなに旨いのか?これが香港マジックなのか?という美味しさであった。
 そして今回は一緒に食べてくれるひとがいたおかげで「シャコ禁止令」がとかれ、8年ぶりくらいに香港のシャコを食う事も出来た。満足。

看板猫のririちゃん  食事の後は西貢を散歩しがてら、お気に入りの猫グッズショップに立ち寄り、美人さんの看板猫に挨拶。買い物もする。
 そして、またぷらぷらあるきながら今度はスーパーも物色。やはり果物が安いのは魅力的である。
 西貢の定番コース、食事の次は「ハネムーンデザート」で食後のデザートタイム。
 前に来た時よりも店が拡張していた。
 以前、日本のテレビで、罰ゲームにここのドリアンパンケーキを某お笑いタレントが食べさせられて大騒ぎをしていたが、ここではカップルがフツーに食っていた。
 ワタクシはドリアン、好きなのですが、他の方々からブーイングが出たので、おとなしくマンゴーパンケーキを食べる。でも、飲み物はドリアンジュースだ。それでもニオウと顰蹙を買う。
 港のヨーコが一口チャレンジするも、どうもこの美味しさを理解して頂けなかったようだが、私としては大変美味しかった。
 そうこうしている間にも、ドリアンパンケーキを頼む客は後を絶たず、香港ではけっこう人気メニューのようであった。

ドリアンジュース  ドリアンパンケーキに少しだけ後ろ髪を引かれつつ、またミニバスと地下鉄を乗り継いで尖沙咀に戻る。
 そして、ピークに次いで、香港に来たら必ず訪れる場所となった「星光大道」へ。ここでうかれるのは、リンチェイ君にのぼせているワタクシと、アンディ・ラウ&トニー・レオンにうかれている港のヨーコだけで、ちゃりん子チエねーさんに至っては、さっぱりである。
 しかも、このあとコンサートで本物のアンディを観られる港のヨーコは、たかが手型くらいでは冷静なものであった。くそー。
 歌う明星は本人に会えるコンサートがあっていいなー、としみじみ…。
 歌わない明星リンチェイ君の手型にタッチしながら、写真。もはや、手型の前にくると黙っていてもニャンコ先生がカメラを構えて定位置に立っているような状態で、ものすごい早業、まさに阿吽の呼吸状態であった。  

手のシワとシワを合わせて幸せー  ここに来るとホ〜ント、旅の恥はかき捨て状態である。どこを見ても尻までついて写真をとっているような自分を見失ってる奴はいない。とほほ。
 冷静ではあったが、港のヨーコも同じようにアンディとトニーのところで写真を撮っていた。ま、尻まではついていなかったけど。
 ここはビクトリア湾を挟んで香港島のビル群から上はピークまで、一望に出来るスポットなので、人は多い。しかも観光客が多い。
 そして、圧倒的に北京語を喋っている観光客が多いのである。
 本土からの観光客で香港は活気を取り戻したと言われるのがよくわかった。
 観光業界にも中国パワーが押し寄せて来ているようである。(ねずみーリゾートでも北京語よく聞くようになったし…そういや、来年香港にもねずみーランドが出来るとか…)

ロブスターなラウ様  手型が済んだらいよいよ本物の香港明星に会いに行くが、その前に腹ごしらえ。ミニバスに乗りコンサート会場の横を通り過ぎ、ホンハムは黄埔(ウォンポー)のフードコートへ。
 四川を食べようと思っていたら、お目当てのお店は外まで長蛇の列。のんびり並んでいてはコンサートに遅れてしまうので、諦めてワンフロアー下の一番すいているベトナム料理屋に入って麺をすする。
 食の激戦地にて方や長蛇の列なのにすんなり入れるお店とは、これ如何に。次ぎにくる時まであるかどうか解らないという意味では、入っておく価値はあったかも。やはりそれなり。
 帰りにちょこっとエスプリなどにも寄ったりしながら、タクシーにて香港コロシアムに向かう。

握手するラウ様

 香港コロシアムは既に開場していて人でごった返している。子供から年配のご夫婦まで、さすが「香港の宝」と謳われるアンディ・ラウのコンサートである。その客層の広さに脱帽。席を探して進んでゆくと、何と前から7列目という、ものすごく「おいしい」席であった。
 こちらは、コンサート中写真とり放題なので、ガンガン撮影。四方を客席に囲まれた360度のステージで、いやはやアンディ、いろんな事をやってくれた。握手タイムもあるし、衣装替えはばんばんあるし、日本の曲のカバーもやってくれるして、もう、これぞエンターテイメントって感じで、アンディファンならずともかなり楽しめるコンサートであった。港のヨーコはのりのりで、隣の香港人の女の子と友だちになっていて驚いた。二人でアンディめがけて突進。音楽に国境は無いのであった。

おなじみ蟹チリガーリック  さて、コンサートでフィーバー(古っ!)した後は、タクシーで海底トンネルをくぐって香港島に戻り、灣仔(ワンチャイ)の「喜記炒蟹専家」にておなじみカニチリガーリックを食す。アサリのスープも美味。そして、炒めたエビがこれまたものすごく美味しかった。日本からはるばる持参した「蟹ほじり」大活躍。でも、やっぱりかぶりついてしまい、指は油でギトギトに。野生に返る。ビールなぞ飲みながら話に花を咲かせていたらあっという間に深夜2時を回っていた。
 写真の蟹が埋まっている、ニンニクとかショウガとか唐辛子なんかを炒めたとっても辛いものの瓶詰めをお土産に買って、帰路につく。
 順調に日増しに帰りが遅くなっている。


9月12日(日) 香港最終日

ピークからの眺め

 初日に門前払いを食らったマダムタッソー蝋人形館にリベンジするため、ホテルをチェックアウト後、タクシーでセントラルに移動し、香港駅にて飛行機のチェックインを済ませ身軽になってからビクトリア・ピークへ。
 やっと、新入りのレスリー・チャンとご対面するも、レスリーのいたコーナーはレスリーファンの方々が数人、抜け殻のようになりながら、すぐ横で映し出されていたビデオの中の生前の彼の姿を、涙ぐみながらじっと見つめていたりして、非常に空気が重く、並んで一緒に写真を撮るなんておちゃらけたことが出来るような雰囲気ではなかったので、さっさと本人(人形だけど)のみを撮影し退散。
 後で気づいたが、今日は彼の誕生日であった。なるほど。
 しかし、自殺なんかされちゃうと、ファンの気持ちは行き場がなくなってしまって、可愛そうである。彼女らに罪は無い。
 その後、近くで麺をすすって、大急ぎでセントラルに戻り、空港への電車に飛び乗った。
 せっかくだからミニバスで生活密着コースを走りながらピークを降り、港のヨーコとじゃりんこちえねーさんにいろいろ見せてあげたかったのだが、そんな時間的余裕はみじんも無く、行きも帰りもタクシーに乗ってしまった。
 ああ、いつも悲しいくらい慌ただしい。

食べ納め  空港でダメ押しの許留山。ぎりぎりまでねばるねばる。
 しかし、空港まで来てしまうと後は帰るのみ。
 飛行機に乗って、「ハリーポッターとアズガバンの囚人」を観て機内食を食べたら、もう成田である。
 こうしてあっという間の4日間が終わったのであった。


9月13日(月) つけ

ぶどう

 遊び疲れを引きずって労働。こんな時に限って残業。今日は試験課題提出の締め切り日なのであった。
 なんだかんだと夜10時まで、最後の一人のお尻を叩く。
 香港の写真を現像して眺める。
 そういえば、3年前のフランス旅行から、アルバムに貼っていない写真が山積みである。
 やりたい事は沢山あるのになかなか固まった時間がとれない。
 忙しく仕事に明け暮れていた時はまだあきらめもついていたが、暇になるはずだったのにこうして時間が無い生活を余儀なくされていると、納得がいかない分ストレスである。
 まぁ、取れる時間はほどんど遊ぶ事に費やしているのだから、仕方が無いか。


9月14日(火) 怒りの鉄拳

花

 旦那がまたゲームにハマっている。
 ハマるぶんにはかまわないが、ものには優先順位があるのだ。
 そんなこんなで、男の二言が発生したため、珍しく雷を落としてみる。
 怒るぞ!と腹を決めると、意外にも冷静に説教を垂れられるものなのだということを発見した。
 子供を叱る母親とはこんな感じなのだろうか…と思いつつ。


9月15日(水) 限界

西貢のサンパン舟

 今日働けばお休みがやってくるのだ!という一筋の光を頼りにヘロヘロになりながらも労働に励む。
 遊び疲れだから誰にも当たれないので、余計辛い。
 帰宅後、香港の写真を何度も見たりしまったりして気を紛らわす。
 見ているとにわかに気持ちが晴れ晴れしてくるから、また行きたいと思ってしまうんだね。
 料理の写真をネタに、旦那を誘惑する作戦を開始。


9月16日(木) 爆睡

爆睡パク

 やっと休日が訪れ、こんなに疲労困憊していたのか!?と自分でビックリするくらい起き上がれなかった。
 まさに、精魂尽き果てるまで遊び倒したわけである。
 それなのに、できた写真のお披露目を口実に、また遊びに行く画策をしているのであった。
 「インファナル・アフェア2」を観に行きがてら集る事に。
 前にニャンコ先生から香港版のVCDを借りて見たのだが、1には登場していなかった人達が沢山増えていて、さっぱり解らなかったのであった。
 今度はしっかり見るぞ!と起き上がれないくせに、遊ぶ気満々。


9月17日(金) 矛盾

落ち葉

 貴重な休日一日をほぼ寝倒して過ごしたおかげで、なんとなくフツーの状態に戻りつつあるなか、副業に出掛ける。
 本当なら今頃はやる事が無くてお休みを優雅に過ごすはずが、ここんちのMacのご機嫌がよろしくないため、こうして今日も働くハメに。
 そもそもパソコンは仕事の効率を上げるための道具のはずだが、職場にパソコンが導入されて久しいというのに、仕事の効率向上で残業が減って自分の時間ができ、プライベートが充実しているとかいった話は、いっこうに聞いた事が無い。
 何か間違ってる。


9月18日(土) プッシュ

ミニバス

 いつものようにバイト。
 あ〜、先週の今頃はまだ香港で遊び回っていたんだな〜と思い出に浸りつつ、もうあれから長い時間が経ってしまったような感覚にもなる。
 次はいったいいつになるのか、今のところ予定は無いけど、今度は少し矛先を変えて、日々旦那をその気にさせる努力をより一層することに。
 明日の写真お披露目会に備えて、早速本日より香港の魅力を語るオバサンになってみた。
 私は香港親善大使。


9月19日(日) 再燃

通りすがりのお神輿隊

 香港4人組で揃って「インファナル・アフェア2」を鑑賞。
 やはり日本語字幕があると内容がよくわかって、香港版を右脳鑑賞していた時の疑問点がきれいに解消。
 それどころか、「な〜るほど、そういう設定だったのね〜」みたいな、根本的に解っていなかった事なども次々に解明された。
 映画の後は、しゃぶしゃぶをぺらぺらやりながら、写真を見て、思い出話でおおいに盛り上がる。
 それにしても皆さん、勢いで写真頼み過ぎ。


9月20日(月・敬老の日) 楽しい作業

西貢の猫

 香港の写真の焼き増しをして、分類。
 こういう作業は楽しい。
 そして、ちゃんと旦那にアプローチする事も忘れない。
 今のところ、なかなか良い感触を得ていて、もしかしたら目的達成の可能性も捨てたもんじゃない。
 むやみにたくさん撮ってしまった美味しいものたちの写真が、こんなところで大活躍中。


9月21日(火) 車中にて

秋刀魚

 電車で向かいに座っていた女性が、ものすごい形相でお化粧中。
 ま、落ちた口紅を塗り直すくらいなら、一瞬だし、そう気にもならないが、恥ずかし気も無く眉毛抜きまで始まってしまうとさすがに頂けない。
 睫毛カールに熱中してる時の顔なんてもう、鬼気迫るものがあってかなりコワい。
 そもそも化粧は自分をキレいに見せるためにするもののはずだが、化粧に没頭する姿は、キレいとは遠いところにあるものだ。
 まったくもって本末転倒である。
 お化粧がすんだら、腕組みをして反っくり返って居眠り。
 もちろん口はだらしなく半開きである。
 真昼の光景としてはあんまりだ。
 20代なのにオバサンを通り越してオヤジ、いやそれも通り越して、もう終わっている。


9月22日(水) 営業スマイル?

女心と秋の空

 頑張って香港親善大使を続行中。
 旦那は少しずつその気になりつつあるかもしれぬ。
 口説くだけでなく、こうなったら念力も総動員してもう一押し。
 遊ぶためならエネルギー放出を惜しまない、ゲンキンなワタクシなのである。
 そして、こんな下心満載の時は、家族サービスに力がこもり、妙ににこやかである。


9月23日(木・春分の日) 写真配布行脚

電車君

 香港の写真配布行脚の一日。
 残念ながら全員集合とはいかなかったため、時間をずらしながら順番に配達する事に。
 まず品川で港のヨーコと昼食をとりながらお届け。
 次に恵比寿でお出かけ途中のニャンコ先生とお茶をしながらお届け。そこへ入れ替わるようなタイミングでじゃりんこチエねーさんが合流してお届け。めでたく任務遂行した。
 その後はチエねーさんとウィンドーショッピングなぞを楽しみ、なかなか有意義な休日を過ごしたのであった。
以前は毎日のようにぶらついていたエリアなのに、しばらくぶりに歩いてみると妙にコジャレ感が漂っているように感じてしまう。
 少しずつ都会人の感覚を忘れつつあるようで、ちょっとだけ焦った。


9月24日(金) 会えない

はな

 バイト掛け持ち生活も、週に2日も祝日があると大変楽である。やはり週休3日がベストだな〜などとおもいつつ副業に励む。
 せっかく都内に出るのだからと、副業のたびに帰りに友人に香港みやげを渡そうと、なんどか連絡をしているのだが、どうも行き違いだ。
 今日も連絡してみたが、もう帰宅した後だった。
 おかげで毎回、副業先に出掛ける時は、謎の荷物を持っているのであった。
 


9月25日(土) 突然合コン?

玄関先

 バイトの後職場の皆様と飲み会。先日退社した先生のお仕事がきまったこともあってのお祝い飲み会のはずだったのだが、その先生が職場の人を男ばかり5人も引き連れてやってきたので、いきなり合コン状態になってしまう。
 しかし、女性陣は半分以上が既婚者である。
 とうぜんイケメンが束になってやって来たわけではないので、引き気味。
 お酒の席のボルテージが陰気に下がる事に免疫の無い業界出身のオバサンはひとり焦る。何の得にもならないのに、染み付いた習性というのはおそろしいもので、一瞬どんよりとした空気を敏感に感じ取り、無理矢理にでも盛り上げなければ!とひとり空元気。
 努力は実り宴はすっかり盛り上がって、男性陣も楽しかったようで、お代を払って下さった。
 一人盛り上げ隊も何かの得にはなったようであった。


9月26日(日) お届けもの

季節外れの朝顔

 お昼前、宅配便がやって来てダンボールを8個置いて行った。
 ニャンコ先生から届いたにもつである。
 ニャンコ先生は今月末から台湾に留学するため荷物整理の真っ最中。
 途中で送ったりするものも含めて、4人組の中で一番ヒマで、一番家にスペースがあって(といっても他の二人は都心に一人住まいだから家よりは狭いというだけです)、一番力持ちで車持ちの私が、お荷物担当になったのであった。
 荷物にはそれぞれアルファベットと数字が書かれていて、内訳がメールで届いていた。
 ずぼらなオバサンはそのマメさに感動すら覚えてしまう。
 当面使わないものをばったばったと処分できる判断力なぞは、もはや尊敬に値するぐらいである。
 ニャンコ先生の半分くらい能力があれば、我が家はもっと住みやすいであろう。


9月27日(月) 作戦成功?

えびちりのかに

 香港から戻ってから、針のむしろのようにちくちくと、旦那に対して香港親善大使を努めて来た苦労(?)が、結実しそうである。
 旦那がうっかり休めそうな事を口走ったものだから、さっそくネットでツアー探しを開始。
 たとえ3日の休みであろうと、この時を逃してはならない!とオバサンの野生のカンは言っている。
 こういうときのオバサンは敏腕経営者のごとく即決し、有能マネージャのごとく敏速に段取り、盗人のように注意深く抜け目が無いのである。
 そして銀座のママのようにおだて上手だ。


9月28日(火) 第二弾

リトルガーデンのすみれ

 今日もニャンコ先生からダンボール箱が7個届く。
 とりあえず廊下に積み上げたら結構なボリュームに。
 でも2つはワタクシへの有り難い贈り物であり、もう1つは私の職場への有り難い贈り物であった。
 たしか、もうマンションを引き払って近くのホテルに居を移すはずである。
 ついこの前まで一緒に遊び歩いていた人が遠くに行ってしまうとやはり寂しいものだなーと、うず高く積み上がったダンボール箱をしみじみとながめる出勤前であった。


9月29日(水) 冬支度完了

暖かそうなキーボード

 ニャンコ先生から不要になった電子レンジを譲り受けたので、早速職場に搬入すべく、愛車に積んで出勤。
 職場は大型スーパーの上層階にあり、地下には駐車場が。平日の開店直後だから楽勝だろうと高をくくっていたら、すでに入庫待ち状態で、すっかり遅刻してしまう。
 でも、電子レンジの威力は強力で、皆、快く遅刻させて下さる。
 寒い冬に暖かいモノを食せる環境が整い万々歳である。
 捨てる神あれば拾う神あり。


9月30日(木) 胃がん検診と見送り

お見送り

 腹ぺこでぼーっとしたまま、市の胃がん検診に出掛ける。
 混雑していたら1時間くらい待つ事もあるということだったが、ホントにここでやってるのか?と思うほどガラガラで、ものの20分ほどであっけなく修了してしまう。
 さすがに市の検診だけあって、勤め人っぽい人は一人も見かけなかった。
 速攻で腹ぺこを解消したあと、電車に乗って成田空港へ。
 本日は、いよいよニャンコ先生旅立ちの日である。
 しばしお茶を飲んだあと、ニャンコ先生は元気にゲートに消えて行った。
 天気も良いので、展望デッキまで行き、ビールを飲みながらひとりまったりしと、ニャンコ先生の乗った飛行機が飛び立つのを見送る。空港は良い。
 飛行機の離着陸を見るのがこんなに楽しいとは。
 オバサンが小学生の頃の憧れの職業No.1はスチュワーデスであったことを思い出す。
 当時、庶民にとって外国は今よりずっと遠かったのだった。